運送業の車庫して使える条件とは?
運送業として、事業をお考えの方ならトラックなどを保管する車庫は気になるところです。なぜなら、そもそも保管できるところがなければ、他の要件が全て揃っていたとしても、意味がありません。そんな運送業の車庫ですが、どのような要件が必要なのか、また選ぶべきポイントは何なのかをご説明します。
車庫の要件とは
車庫の要件は大きく3つ
まず、一番基本となる車庫の要件とは何なのか?重要なのは、大きく3つあります。
1つは、車庫の場所です。望ましくは市街化調整区域ですが、車庫は基本的に屋根がなければ、用途地域などに縛られずに、使用することが出来ます。屋根がある場合は、都市計画法による用途地域の制限を受けますが、通常運送業として利用できる車庫として貸し出している場所は、屋根がない場合がほとんどなので、基本はどこでも構いません。ただし、後述する前面道路の関係で調整区域の方がいい場合がございます。
2つめは、営業所との距離です。多少の地域差はありますが、運送業の車庫は、だいたい営業所から車庫までの直線距離を5kmまたは10km以内としている場合が多いです。一部関東では20kmとしている場所があるようですが、基本は、5~10km以内です。この、5kmなのか10kmなのかは、都市部に近いほど車庫までの距離が遠くてもよい傾向にあるようですが、近畿運輸局では、告示として提示していますので、同様の内容を後述しますが、印刷したい方は下記を参照ください。
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000262694.pdf
3つ目は、車庫の前面道路です。おそらく車庫を選定する中で、最も探すのが難しい要件です。この車庫の前面道路は、単に使用する車両が通行できれば良いというわけではなく、車両制限令という法令に、必要な幅が記載されています。
詳しくは次になります。
まず、大きく「市街地区域内の道路」と「市街地区域外の道路」と2つに分けられています。「市街地区域内の道路」とは、簡単に言えば家屋や商店など、人の行き来が多い地域のことであり、「市街地区域外の道路」とは、市街地区域内以外の道路を指します。基本的は、人の往来や交通量が少ない地域です。
<市街地区域内の道路で通行できる車両の幅>
道路の区分 | 通行できる車両の幅 | |
市街地道路 | 通常の道路 | (車道の幅ー0.5m)÷2をこえないもの |
極小指定道路または一方通行 | (車道の幅員ー0.5m)を超えないもの | |
歩行者が多くて歩道のない駅前・繁華街道路 | 通常の道路 | (車道の幅員ー1.5m)÷2を超えないもの |
極小指定道路または一方通行の道路 | (車道の幅員ー1.0m)を超えないもの |
<市街地区域外の道路で通行できる車両幅>
道路の区分 | 通行できる車両幅 | |
通行できる車両の幅 | 車道の幅員÷2を超えないもの | |
一方通行の道路または300mごとに待避所のある道路 | (車道の幅員ー0.5m)を超えないもの | |
極小指定道路 | 車道の幅員を超えないもの |
上記の計算で、例えば10tトラック幅2.50mを使用したい場合は、一般の市街化区域では、5.5m必要ですが、調整区域など区域外道路ですと5.0mとなります。
要件を満たしていない場合は?
車庫の場所については、屋根がない限り特に制限がございませんが、直線距離については、そもそも要件を見たいしていない場合は、認められません。また、前面道路についても車両制限令の要件を満たしていなければ、認められません…
と言いたいところですが、この道路幅については、一定の基準が車両制限令で求められているのですが、実際のところ、道路の使用方法については、その道路を管轄する自治体などに判断を委ねているようです。例えば、6.5m必要な道路幅が、実際には6.2mしかなかった場合に、その道路を管轄する自治体などが、通行上問題ないと判断すれば、基準以下の道幅でも、許可が下りることがあります。また、この道路幅ですが、実測ではなく、道路を管轄する自治体などが発行している、道路幅員証明によって証明します。したがって、実際に現場で6.5m以上あるからといって、安心してはいけません。公的証明書として基本は道路幅員証明書で道路幅を証明します。ただし、この道路幅員証明書は、自治体によっては、発行をしていないところもありますので、その場合は、実測をスケールなどで計測している写真などを使って証明します。
注意点
車庫を選ぶ場合に、大きく3つの要件があるとお伝えしましたが、もう一つ考えなければいけないのが、面積です。当然車両が保管できるスペースを使用するのだから、大丈夫と侮ってはいけません。まず基本となる面積の計算方法ですが、車両同士の間隔を50㎝ずつ空けて、かつ敷地境界線からも50㎝間隔を空けなければなりません。これは、日常点検において、十分なスペースを確保するのと車両同士がぶつからないようにするための配慮です。したがって、使う車両によって必要な面積が違うのですが、10tトラックを5台用意するのと、バンを5台用意するのでは、当然バンの方が面積が小さく済むので、車庫を用意しやすくはなるのですが、問題は許可を取得した後です。当然、事業をするうえで、輸送する荷物によって車両を変更(または増車)する場合や、物理的に廃車になり、新たに別の車両と入れ替えるということもあるかと思います。この時、最低限の車庫スペースしかなければ、入れ替える車両が大きい場合、又は増車したいときに対応できなくなってしまい、輸送チャンスを逃す可能性もございます。もちろん、許可後でも車庫を増やすことはできるのですが、車庫の増設は、事業計画認可申請という手続きを経なければならず、認可が下りるまで、約1ヶ月~1ヶ月半程度かかりますので、それまでは、現状維持となります。こうならないためにも、最初の許可を取る段階で、余裕のある車庫スペースを確保しておくことが重要です。
営業所と車庫の直線距離について
営業所と車庫とは直線距離で測ります。
したがって、道のりで12kmあったとしても、直線距離で規定以内なら問題ありません。
ー運輸大臣が定める地域ー 近畿運輸局管轄エリア
<直線距離が10キロメートル以内>
・滋賀県
(大津市及び草津市に限る。)
・京都府
(京都市、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、乙訓郡、久世郡及び綴喜郡のうち京田辺町に限る。)
・大阪府
(貝塚市、泉佐野市、泉南市、豊能郡、泉南郡並びに南河内郡のうち太子町、河南町及び千早赤坂村を除く。)
・兵庫県
(神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、芦屋市、伊丹市、加古川市、宝塚市、高砂市、川西市及び加古郡に限る。)
・奈良県
(奈良市、大和郡山市、天理市、橿原市、生駒市及び磯城郡のうち田原本町に限る。)
・和歌山県
(和歌山市及び海南市に限る。)
<直線距離が5キロメートル以内>
・滋賀県
(大津市及び草津市を除く。)
・京都府
(京都市、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、乙訓郡、久世郡及び綴喜郡のうち京田辺町を除く。)
・大阪府
(貝塚市、泉佐野市、泉南市、豊能郡、泉南郡並びに南河内郡のうち太子町、河南町及び千早赤坂村を限る。)
・兵庫県
(神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、芦屋市、伊丹市、加古川市、宝塚市、高砂市、川西市及び加古郡に除く。)
・奈良県
(奈良市、大和郡山市、天理市、橿原市、生駒市及び磯城郡のうち田原本町に除く。)
・和歌山県
(和歌山市及び海南市に除く。)
判断に迷ったときは、相談を
悩まれる場合は、自分で勝手に答えを出さずに、運輸局に問い合わせるか、信頼できる行政書士へご相談ください。当事務所は、多くの運送業の許可から認可申請、または車両の増減車にともなう出張封印など、運送事業者様に寄り添った事業を心がけております。
お困りの差異は、ぜひ一度ご相談ください。
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