運送業の営業所として使える条件とは?

query_builder 2023/12/24
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運送業として、事業をお考えの方なら営業として使う事務所は気になるところです。なぜなら、そもそも営業する拠点がなければ何も始まらないからです。他の要件が全て揃っていたとしても、意味がありません。そんな運送業の事務所ですが、どのような要件が必要なのか、また選ぶべきポイントは何なのかをご説明します。

営業所の要件とは

車庫の要件は大きく3つ

まず、一番基本となる事務所の要件とは何なのか?重要なのは、大きく3つあります。

1つは、営業所の場所です。特に気を付けなければならないのは、用途地域です。これは口を酸っぱくするくらいに注意していただきたい要件です。正確には、第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域の4つです。名前が似ていますが、第一種住居地域や第二種住居地域は、住居地域ではありますが、住むだけの専用地域ではありませんので、大丈夫です。

ただし、この住居専用地域ですが、営業所として全く使えないわけではありませんが、かなり特別な要件が必要となります。詳しくは後述しますが、基本は住居専用地域は避けてください。


2つめは、車庫との距離です。多少の地域差はありますが、運送業の車庫は、だいたい営業所から車庫までの直線距離を5kmまたは10km以内としている場合が多いです。一部関東では20kmとしている場所があるようですが、基本は、5~10km以内です。この、5kmなのか10kmなのかは、都市部に近いほど車庫までの距離が遠くてもよい傾向にあるようですが、近畿運輸局では、告示として提示していますので、下記を参照ください。

https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000262694.pdf


3つ目は、営業所の面積です。実は、営業所の要件に面積は明確に示されておりません。極論を言えば、何平米でもかまわないのですが、営業所には、実際に運営するために事務所スペースと運転者などが休憩できる休憩施設を設けなければなりません。この2つは別々の場所にあってもいいので、例えば車庫の近くに別に休憩施設を設けることもできます。しかし、ほとんどの場合は、営業所に併設している場合がほとんどですので、同じ場所の場合は明確に区画する必要があります。戸建てで部屋が分かれている場合は、明確に区画されているので何も問題はありませんが、例えばマンションなどの一室を使って利用したい場合に、その一室をパーテーションなどで区画する必要があります。これは、申請時に写真で提出しますので、平面図に区画する旨を記載するだけでは足りませんので、注意が必要です。よって面積はいくらでもいいのですが、実際に運営するにあたって、問題ない程度の事務所スペースと休憩施設は確保する必要があります。私がいままで携わった中では、個人事業主さんで4.5㎡で通ったことがございます。

事務所スペースには、パソコン、プリンター(望ましくはFAX機能付き)、書棚、固定電話(※設置できない場合は携帯でも可)、休憩施設には、泊まりがあるかどうかにもよりますが、一般的には、テーブルや座るためのソファ、座布団、可能なら冷蔵庫等あれば、休憩施設としては機能していると考えられます。このあたりは、担当者によって若干重要視する部分が違いますが、一般的な感覚でくつろげそうなら、問題ありません。



要件を満たしていない場合は?

要件を満たしていない場合は、いきなり不許可とはなりませんが、審査が進まず、場合によっては別の営業所を確保していただく必要がでてきます。ただ、営業所の要件は最低限、用途地域と車庫との距離の2点さえ抑えておけば、基本的には認められます。車庫との距離は、直線距離なのでgoglemap等で確認すれば、見誤ることはなかなかありませんが、よく耳にするのが用途地域の見落としです。行政書士が間に入る場合は、事前に確認しますので、そういったことは起きにくいのですが、ご自身で申請される場合は、こういったミスがあるようです。当事務所にご相談された方も、この用途地域の考え方に誤解があり、別で探していただいたケースもございます。それくらい特殊なので、迷われたら、まずはご相談ください。


注意点(用途地域)


営業所を設置するために、まず相談される場所は不動産屋ではないかと思います。当然不動産屋は、営業所として使用できる物件を提案して、依頼者が車庫との距離で問題なければ、契約することになるかと思います。しかし、即決せずに、一度確認していただきたいのです。一番多いのは、不動産屋から事務所利用可と聞いて、そのまま鵜呑みにして申請してしまう場合です。これは、何も不動産屋が嘘をついているわけではありません。(不動産屋は運送業の営業所が何に該当しているのかを明確に把握していない場合がある)

広くとらえれば運送業の事務所も、他の業種の事務所と同じように見えてしまうだけですが、都市計画法では、業種によって事務所の在り方が違います。

例えば、第二種低層住居専用地域では、店舗等の床面積が150㎡以下かつ2階以下である場合に、「日用品販売店舗」、「喫茶店」、「建具屋等のサービス業用店舗」は可としています。また第一種中高層住居専用地域や第二種中高層住居専用地域では、上記に加えて、「物品販売店」、「飲食店」、「損保代理店」、「銀行の支店」、「宅建業のサービス業用店舗」などは可となっています。当然これらの業種の店舗には事務所が備わっている事がほとんどなので、広く言えば事務所利用可と言えなくもありません。では運送業の営業所はどうかといえば、これらには当てはまりません。住居専用地域で営業が認められているのは、基本的には、日常生活に必要な業種に限られています。運送業は、それらに該当しませんので、運送業で住居専用地域で営業所を設置できるのは、一つしかございません。


「兼用住宅で、非住宅部分の床面積が、50㎡以下かつ建築物の延べ床面積の2分の1以下のもの」


分かりやすく言えば、一戸建てで、現にそこに住んでいて、営業所となる面積が、半分以下であるということです。

この要件は、個人事業主で自宅の一室を営業所にする場合に、比較的該当します。私が、許可取得させていただきました案件も、個人事業主で、この要件に当てはまる方が多数おられました。では法人はどうでしょうか?

ここで、ネックなのが兼用住宅でなければならないということです。住居専用地域なので、当たり前といえばそいうなのですが、住む前提の建物しか建てられない地域なので、そこに住んでいただかなければなりません。もし、法人でこの要件を満たそうとした場合に、過去に私が担当者に言われたのが、最低でも法人役員がその場所に住民票を移してもらわないと、住んでいるとは認められないといわれたことがございます。書面審理なので、物的証拠として提出できなければ、いくら住んでいると主張しても、認めにくいということでしょう。結局、この法人は別の物件を探していただきました。

したがって、運送業で住居専用地域で、営業所を設置するのは、かなりハードルが高いですので、全くお勧めしません。

反対に、住居専用地域でなければ、よくある賃貸物件であるアパートの一室などでも大丈夫です。ただし、マンションなどは管理規約なので、事務所不可としている場所もあるので、規約はしっかり確認してください。

用途地域の要件さえクリアすれば、営業所は車庫ほど難しくはないと思いますので、妥協せずに探してみてください。

もし、判断に迷われた場合は、お気軽にご相談ください。


判断に迷ったときは、相談を

悩まれる場合は、自分で勝手に答えを出さずに、運輸局に問い合わせるか、信頼できる行政書士へご相談ください。当事務所は、多くの運送業の新規許可から営業所移転、車庫増設などの認可申請、または車両の増減車にともなう出張封印など、運送事業者様に寄り添った事業を心がけております。

お困りの差異は、ぜひ一度ご相談ください。




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  330,000万円(税込)+実費


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許可後の緑ナンバー取り付けの出張封印から事業開始届までフルサポート      

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※上記以外に、申請手数料12万円が別途必要となります。



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